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贈与って何? 贈与税って何? 贈与にまつわる「素朴なギモン」

2026年9月14日

家族内をはじめ個人同士で行われるお金や資産のやりとり。それが法律上の「贈与」とみなされ、思わぬリスクが生じることもあります。よくあるケースをもとに、贈与にまつわる素朴なギモンをひも解きます。

Case① 贈与と契約


  • ご相談者
  • 贈与するときには契約書は絶対に必要なのですか?

  • 税理士
  • 民法では、「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」(第549条)とされています。口頭で贈与の約束をした場合も有効であり、必ずしも契約の書面が必要というわけではありません。しかし書面によらない贈与の場合、「言った、言わない」でトラブルの原因となる可能性があります。特に大きな金額や不動産の贈与は、契約書を作ることをお勧めします。

Case② 家族での貸し借り


  • ご相談者
  • 親からお金を借りようと思っているのですが、これも贈与になるのですか?

  • 税理士
  • 親と子、祖父母と孫など、特殊の関係がある人の間で金銭の貸借をする際、借入金の返済能力や返済状況などからみて真に金銭の貸借であると認められる場合、借入金そのものは贈与とはなりません。

    しかし、借入金が無利子の場合は、「利子に相当する金額の利益を受けた」として、その利益相当額が贈与として扱われる場合もあります。また、借りる側にお金の余裕ができるまで待ち、その催促もしない、いわゆる「あるとき払いの催促なし」では、借入金そのものが実質の贈与とみなされることがあります。贈与とみなされないようにするには、借りる側が約束通りに適切な利子を支払い返済していくと良いでしょう。

Case③ 子どもへの仕送り


  • ご相談者
  • 遠方に住む子どもに送る仕送りには、贈与税はかかるのでしょうか?

  • 税理士
  • 両親などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、「通常必要と認められるもの」であれば、贈与税は非課税とされます。

    ここでいう生活費とは、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、教育費とは、学費や教材費、文具費などをいいます。そのため、仕送りと称して趣味の車を買い与えたような場合は、通常必要と認められる生活費にはあたらず、非課税とはされません。また、生活費や教育費の名目で渡した場合でも、もらった側がそれを預金したり、株式や不動産などの買入資金に充てたりしている場合には、贈与税の課税対象になります。

Case④ 贈与税のかかるとき


  • ご相談者
  • 贈与税は、財産をもらったら必ずかかるのですか?

  • 税理士
  • 贈与税とは、原則として個人から金銭などの財産をもらったときに、もらった人が納める税金です。ただし、贈与税には110万円の基礎控除があります。つまり、1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりませんし、贈与税の申告も不要となります。

Case⑤ 子どもや孫の名義の預金


  • ご相談者
  • 子どもの名義で口座を作り、そこに毎年110万円以下のお金を預けています。これなら税はかかりませんね?

  • 税理士
  • 子どもや孫の名義で口座を作り、お金を移しただけでは、贈与をしたと認められないことがあります。

    これは、そもそも「贈与」という行為が、渡す側ともらう側の意思表示が一致してこそ成立するからです。「子どもや孫が口座の存在を知らない」「通帳の管理が親にあるまま」といった場合、贈与が成立しておらず、いわゆる「名義預金」として、相続発生時に相続税の課税対象とみなされます。

Case⑥ おしどり贈与


  • ご相談者
  • 今年で結婚して20年を迎えたのですが、妻に何かうまく贈与できるようなプランはありますか。

  • 税理士
  • 婚姻期間が20年以上の夫婦間でマイホームを贈与した場合、贈与税の基礎控除110万円のほかに最高2,000万円の配偶者控除が受けられます。

    一般的に「おしどり贈与」ともいわれるこの特例の適用を受けるための要件は次のとおりです。また、一定の書類を添付して、贈与税の申告をすることが必要となります。
     ①夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと。
     ②配偶者から贈与された財産が、居住用不動産であること、または居住用不動産を取得するための金銭であること。
     ③贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した居住用不動産または贈与を受けた金銭で取得した居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること。

今回紹介したケースは、贈与と贈与税にまつわる内容のほんの一部。贈与をするにあたっては、制度の複雑さから考慮すべき事項がたくさんあります。慎重な検討と決定が必要となりますので、贈与をお考えの際は、当事務所へご相談ください。