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金利上昇時代の金融機関との上手な付き合い方

2026年6月22日

日本の金利は超低金利の時代を終え、緩やかな上昇局面に入っています。不安定な経済環境とも相まって、いつ、新たな資金調達が必要となるか分かりません。いざというときに備えて、金利動向とともに、金融機関との向き合い方をあらためて確認しておきましょう。

いざというときのために!日頃からやっておきたい3つのこと

近年、緩やかに金利が上昇しています。例えば、日本銀行が公表する「貸出約定平均金利(月次)」(新規/総合/国内銀行)の推移を見ると、10年前の2016年2月は0.793%であったのに対し、2026年2月には1.471%と、約1.85倍に上昇しています。仮に、5,000万円を1年間借り入れると、支払う利息は10年前の約40万円に比べて、現在では約74万円となり、約34万円増加している計算です。

金利が上昇傾向にあったとしても、資金が必要になるときはどうしてもあるもの。いざというときのために、日頃から自社の数字を把握しておくことが大切です。3つのポイントを再確認しておきましょう。

(1)毎月の経営状況を「数字」で把握する

まず大切なのは、毎月、自社の経営状況を「勘」ではなく、「数字」で把握しておくことです。会計事務所が行う巡回監査を経て、次のような点を毎月確認しておきましょう。
◎売上高と損益分岐点はいくらか売掛金はきちんと回収できているか在庫は増加していないか
◎仕入や外注費が増えていないか固定費に大きな変化はないか
◎借入金はどのくらい残っていて、返済は順調に進んでいるか

(2)経営状況の異変へ適切に対応する

毎月の数字を見ていくと、売上が少し落ちてきた、原価が上がってきた、資金に余裕がなくなってきたといった変化が見えてきます。会社をとりまく外部環境の変化による影響かもしれません。こうした変化に気付いたときには、少し様子を見ようと先送りせず、早めに対応を考えることが必要です。

(3)会社の状況を金融機関に伝えておく

金融機関は、融資したお金が事業のために使われ、滞りなく返済されるかどうかを重視します。そのため、融資先企業の経営状況や資金の使い方を定期的に確認しています。

融資を受けている企業は、年に1度、決算書を金融機関に提出することが基本。けれども、経営環境は目まぐるしく変化しており、年に1度の決算書だけで、金融機関が融資先企業の正確な現況を把握することは難しくなっています。

そこで、四半期ごとや毎月など定期的に試算表を提出し、途中経過として自社の業績を開示することが大切です。人同士のコミュニケーションと同様に、どんな企業か分からなければ、良い関係性は築けません。自社のことをよく知ってもらうために、積極的かつこまめに自社の情報を開示しましょう。

なお、融資を受ける際は、事業がいまどのような状況にあるのか、これからどうしていきたいのか、といった内容を数字に落とし込んだ経営計画書も作成し、金融機関に提出すると良いでしょう。将来的に設備投資などで資金調達が必要となる可能性がある場合は、その内容も盛り込み、早いうちから情報を共有しておきましょう。

経営計画書には、最近の事業環境の変化や今後の課題、それらについての社長の考えも記載しておくと良いでしょう。金融機関の理解が深まり、いざというときの相談や支援にもつながりやすくなるといえます。

月次決算とタイムリーな情報開示で「顔の見える関係」を築こう

近年、多くの金融機関では、融資の際に事業評価を重視する動きが見られます。融資先企業の経営状況をこれまで以上に重視する機運はますます高まるでしょう。企業側も、毎月、自社の数字を確認し、状況を整理して伝えること――つまり月次決算を行い、経営の透明性を高めていくことが、金融機関と上手に付き合う基本になります。

月次決算に基づく業績を金融機関と適時に共有し、原因分析や改善に取り組んでいる企業は、継続的な支援や助言を受けやすくなります。なお、「月次決算」には、①適時・正確な会計帳簿が作成されていること②会計事務所による毎月の巡回監査を受けていることが大前提となります。

また、TKCのクラウドサービス「TKCモニタリング情報サービス」を利用すれば、月次試算表や決算書などの財務情報を金融機関へタイムリーに開示できます。このようなサービスも活用し、金融機関と「顔の見える関係」を築くことで、金利上昇時代を乗り切っていきましょう。

<参考>令和8年3月開始! 新たな信用保証制度「モニタリング強化型特別保証制度」

物価高や人手不足などの影響を受け、依然として厳しい状況に置かれている中小企業者を支援するため、令和8年3月から、月次での財務状況等の把握を前提とした新たな信用保証制度「モニタリング強化型特別保証制度」が始まりました(3年間の時限措置)。保証料の一部(最大2分の1)を国が補助する仕組みになっています。本制度の対象となるのは、認定経営革新等支援機関との連携により、月次で財務状況や資金繰り状況等を把握し、経営状況等の報告を行うことを誓約する書面を提出している中小企業者です。