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経理の「?」を「!」に 「棚卸資産」のきほん

2026年2月 9日

「棚卸資産」のきほん

企業が販売や製造のために保有する商品、製品、原材料や製造途中のものを「棚卸資産(在庫)」といいます。重要な決算業務の1つに、「棚卸し」があります。「棚卸資産」の基本について再確認してみましょう。

なぜ、棚卸しが必要なのか?

棚卸資産とは、企業が販売や製造のために保有している商品、製品、原材料や製造途中の製品(仕掛品、半製品)のことです。

決算では棚卸しを行いますが、これは売上に対応する売上原価を確定させるために必要な手続きです。

仕入高は、日々の会計処理によって帳簿上計算されているので、図表1で示すように、期首棚卸高に仕入高を加え、期末棚卸高を差し引くことで正確な売上原価を計算することができます。

図表1 売上原価の計算
期首棚卸高×××円
+ 仕入高×××円
 
合計×××円
- 期末棚卸高×××円
 
売上原価×××円

棚卸資産の取得価額は仕入時の購入代価だけで良いのか?

棚卸資産の「取得価額」は、図表2のように仕入時の購入代価(値引・割戻額を除く)に付随費用(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税、通関手数料等)を加えた金額になります。

図表2 棚卸資産の取得価額
取得価額 = 購入代価 + 付随費用

なお、以下のような付随費用については、その合計額が購入代価の概ね3%以内であれば、取得価額に算入せずに、販売費及び一般管理費として費用処理することができます(3%ルール)。

3%ルールの対象となる付随費用

  • 買入事務、検収、整理、選別、手入れ等に要した費用の額
  • 製造等の後において要した検査、検定、整理、選別、手入れ等の費用の額
  • 販売所等から販売所等へ移管するために要した運賃、荷造費等の費用の額
  • 特別の時期に販売するなどのため、長期にわたって保管するために要した費用の額

実地棚卸しはどのように行うのか?

企業が保有する棚卸資産を実際に数え、帳簿上の記録と照合する作業のことを実地棚卸しといい、図表3のような手順で実施します。

実地棚卸しは、決算日に実施することが理想です。業務の都合上、実地棚卸しを決算日に実施できないときは、決算日より前に実地棚卸しを実施し、決算日までに仕入れて在庫として残っている商品等を期末棚卸高に加える方法もあります。

実地棚卸しの際に現場で記入した「棚卸原票」は、重要な原始記録となりますので、破棄せずに保管しておきます。

図表3 実地棚卸しの基本手順(一例)
①事前準備
・実地棚卸しの対象範囲・日程を決め、棚卸原票を準備する
・倉庫の整理や実施者の役割分担を決める
・実地棚卸し中の入出庫を停止する日時を事前に設定し、社内に周知しておく
②棚卸資産の現物確認
・品目ごとに現物を確認し、数量を数える
・品目コード、状態等をチェックし、劣化品や破損品等は別途記録しておく
・原則、二人一組で確認(ダブルチェック)する
③記録と集計
・棚卸し結果を棚卸原票に記入し、全体の棚卸し結果をまとめる
・帳簿数量と実際数量を比較し差異がないか確認する
④差異分析
・差異が大きい場合は、差異の原因(入力ミス、未記録の入出庫、破損、盗難など)を調査する
⑤確定
・差異調整について在庫管理責任者や社長の承認を受ける
・承認後、在庫数量を更新し、棚卸表を作成し、保管する

棚卸しでは付随費用の計上モレに注意しよう!

棚卸しでは、実際に確認した商品等の数量に仕入単価を掛けて期末棚卸高を計算します。期末棚卸高に引取運賃などの付随費用を加えることを忘れてしまいがちなので注意が必要です。

棚卸資産に係る付随費用については、例えば、運送会社に支払う運賃の勘定科目を、次のように仕入れと販売に係るものとに日頃から分けて処理しておくと良いでしょう。付随費用の計上が適切にできるようになります。

仕入れに係る引取運賃・関税など

売上原価の勘定科目に「仕入諸掛」を設けて処理する。

販売に係る運賃

販売費の勘定科目「発送配達費」として処理する。

期末棚卸高の算定に誤りがあると、当期利益額の増減に直結します。棚卸資産は自社内にあることから、恣意的な操作が加えられやすいと考えられ、税務調査においても確認の対象となりやすいので注意が必要です。

決算時に未使用の消耗品は「棚卸資産」になります

販売を目的とせず、営業や事務、製造のために社内で使用する事務用消耗品、包装材料、収入印紙、切手などのうち、未使用のものは棚卸資産(貯蔵品)となります。

ただし、毎年、概ね一定数量を取得し、かつ、経常的に消費するもので、その購入代価を、継続して取得した事業年度の損金の額に算入している場合には、消耗品費として計上することが認められます。