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「経営計画」と聞くと、「なんだか難しそう」と苦手意識を持つ社長もいらっしゃるのではないでしょうか。経営計画は社長が「来期やりたいこと」を、数字に落とし込んだものです。来期にむけて、経営計画、つくってみませんか?
※居酒屋を営む田中社長と佐藤巡回監査士が、巡回監査終了後に経営の話をしています。
佐藤巡回監査士:
11月末で決算です。社長、決算目前のこの時期にご提案なのですが、来期の経営計画をつくってみませんか?」
田中社長:
うーん。「経営計画が大事」とはよく聞くけど、なんか難しそうだし、正直面倒くさいんだよね。
それに、俺の頭の中にはちゃんと考えがあるし、別に経営計画なんてつくらなくてもいいんじゃないかと思ってるんだけど。
佐藤巡回監査士:
経営計画をつくるのは、実はそんなに難しいことじゃないんです。今、仰った社長の「頭の中の考え」は何ですか?思いつくままに聞かせていただけますか。
田中社長:
そうだなぁ・・・・・・。今年はゼロゼ口融資の返済が始まったけど、ちょっと資金繰りが苦しくて元本返済を待ってもらったから、来年からはちゃんと借金返していきたいかなぁ。それから、従業員の給料もアップしてあげたいよね。最低賃金も10月から大幅に上がったし、頑張ってくれているアルバイトの時給を含め、10%は皆の給与を引き上げたいな。それと・・・・・・できれば業務用の冷蔵庫を買い換えたいかな。今使っているのはもう古くなってきちゃってるから、そろそろ省エネで容量の大きいものに買い換えられたらいいね。
佐藤巡回監査士:
借入金の返済、賃金アップ、新たな設備投資――どれも前向きで素晴らしいことです!でも、それらを実現するためには、やっぱり資金が必要です。そうすると来期は、利益をしっかり確保することがより大事になりますね。
田中社長:
確かにそうだね。でも、今期の売上と利益を維持できれば大丈夫だと思ってるんだけど。
佐藤巡回監査士:
では、「5つの質問」で、一緒にシミュレーションしてみましょう!1年間に返済しなければならない借入金の元本2,400千円は利益として確保したいので、Q1の目標経常利益は2,400千円。Q2の売上高の伸びは前年比100%、Q3の粗利益率は今と同じ65%、Q4の給与の伸びは前年比110%、Qz5の人数は変わらず5人ということ、で見てみましょう。この条件では、社長の役員報酬を半分にしないと、利益の確保と従業員の昇給はできないことになりますね。
田中社長:
あれ、ちょっとイメージと違ったな。今期と同じ売上高・粗利益率だと、役員報酬を半分にしないといけないのか・・・・・・(困ったな)。
佐藤巡回監査士:
人件費以外の固定費は削れるところはないので、売上を前年比110%に伸ばす方法を考えましょう。冷蔵庫の買い換えを考えれば、さらに上積みが必要になります。そうなると、まずは12月・1月が勝負ですね。今年4月から、交際費等から除外される1人あたりの飲食費の基準が「1万円以下」に引き上げられましたので、ちょっと贅沢な「プレミアム宴会プラン」の設定など検討してはいかがでしょうか。
田中社長:
わかった。今からプランを練って、忘年会や新年会の予約に力を入れよう。それと利益が確保しやすいドリンク類の新メニューを考えようかな。あとは客足を伸ばす方法か・・・・・・。SNSの宜伝の仕方を、若いスタッフと一緒に考えてみるよ。今の子たちは写真も上手だしね。
佐藤巡回監査士:
社長、どんどんアイデアが出てくるじゃないですか!若い方の力を借りるのも良い取り組みです。
田中社長:
「具体的な数字で考えてみると、取り組むべき課題が明確になるからありがたいね。これからもぜひサポートをお願いします!
佐藤巡回監査士:
もちろんです!それと、計画通りにいかないことも当然あります。その時は、計画との差異が生じた原因を探して改善していく姿勢が大切になります。第1四半期が終わる来年3月には、今立てた計画の数字と、月次決算の実績値を対比してみて、夏前に冷蔵庫の買い換え資金が捻出できるか再検討してみましょう。
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