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会社の将来のために!貸借対照表の「磨き上げ」を

2024年8月12日

1年間の経営成績を表す損益計算書に対して、過去から現在に至るまでの経営努力の結果を示しているのが、貸借対照表です。財産や債務の内容、利益や損失の過去からの蓄積が表れている貸借対照表の「磨き上げ」をして、今から将来の事業承継等に備えておきましょう。

自社の貸借対照表を、次の7つの☑check!で確認してみましょう。

check!①不良債権
check!②不良在庫
check!③貸付金・仮払金等
check!④投資等
check!⑤借入金
check!⑥隠れ債務の有無
check!⑦自己資本

check!①不良債権

売掛金の中に長期滞留債権はありませんか。当社の商品やサービスに欠陥があり、それが回収できない原因となっている場合には、至急対応して顧客の信頼確保につなげましょう。顧客側の事情で債権が滞留している場合、分割払い等の提案や督促を行い、早期の回収に努めましょう。どうしても回収が難しい場合には、債権放棄も検討します。

check!②不良在庫

動きの悪い在庫(製品・商品・材料)があるか把握できていますか。在庫一掃セール等で資金化する努力や、廃棄処分を含めた整理を検討しましょう。

check!③貸付金・仮払金等

貸付金・仮払金等が数期にわたって計上されていないでしょうか。会社の大切な資金が外部に流出してしまっていることになります。計画性を持って、できるだけ短期間でこれらの金額を減らしていく努力をする必要があります。

check!④投資等

会社の本来の事業とは関連のない投資等が含まれていませんか。それらの資産が帳簿価額以上で売却できれば問題ありませんが、売却損が見込まれたり、資産価値がなかったりする場合には、早い段階での整理を検討しましょう。

check!⑤借入金

借入金の月々の返済原資は、「当期利益+減価償却費」です。1年間に返済する元本の金額と見合っているか、確認全しましょう。
一般的に、金融機関からの借入金は年商の5割以内が目安といわれています。この水準を上回る借入金がある場合の多くは、5~7年の返済約定期限では完済することが難しくなります。折り返し融資や返済期限の延長など金融機関と相談しましょう。
また、高い金利(手数料)の金融サービスを安易に利用してはいけません。

check!⑥隠れ債務の有無

●退職金の引当
上限は88,000人のソーシャルゴールド内宝従業員の退職金は十分に準備できていますか。退職金規定の有無にかかわらず過去の支給実績があると、特にこよる譲渡M&Aによる譲渡を考える場合、「退職給与引当が必要」と判断されます。

●潜在的な未払金
潜在的な未払金はありませんか。例えば、適正な労務管理に基づいた残業手当を含めた給与がきちんと支給されているか、税金や社会保険料の未納がないか、リース債務の有無などを再確認してみましょう。

●連帯保証
取引先や個人の借入に対して会社が債務保証をしていませんか。債務保証は、保証先の債務が完済されるまで
継続することになるので厳に慎まなければなりません。

check!⑦自己資本

総資本に対する自己資本比率30%超を目指しましょう。毎期の利益の積み重ねが自己資本の充実につながります。

どうして?貸借対照表の「磨き上げ」が必要なの?

経営者が最高経営責任者として経営を担った後は、
①次世代に事業承継する
②M&Aにより会社を譲渡する
③廃業する
―等を選択することになります。ところが、例えば、金融機関からの借入金が多額であったり、貸借対照表が実態を表していなかったりした場合には、次のような事態に見舞われる可能性があります。

①次世代に事業承継する場合:借入金の多さに、後継者(候補)が承継をためらってしまうかも?

②M&Aの場合:買取希望会社が現れないか、譲渡金額が引き下げられてしまうかも?

③廃業する場合:借入金やリース債務を完済していないと、廃業まで時間がかかることに・・・。

将来の選択肢を数多く確保するためにも、今から貸借対照表の「磨き上げ」が必要なのです。