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<第22回TKC経営支援セミナー>負債40億円からの奇跡のV字回復。
― あきらめなければ道は拓ける ― 朝の来ない夜はない ~負債40億円からの挑戦~

開催日:2025年11月12日

category : セミナーレポート

2025年11月12日、第22回TKC経営支援セミナーが町田市文化交流センターで開催されました。講師には株式会社ユサワフードシステム代表取締役の湯澤 剛氏を迎え、124名の中小企業経営者・幹部の方々にご参加いただきました。演題は「あきらめなければ道は拓ける ─ 朝の来ない夜はない」。湯澤氏がかつて突然負債40億円を背負う危機に直面しながらも会社再建に挑んだ経験をもとに、逆境を乗り越えるための具体的な経営の知恵や人づくりの要諦が語られました。

「一点突破・全面展開」で八方塞がりの危機を打開

講演の前半では、湯澤氏自身が直面した八方塞がりの経営危機からいかに脱却したかが語られました。その鍵となったのが「一点突破・全面展開」という戦略です。状況が厳しいときこそ、自社の強みや打開策となる一点に経営資源を集中投入し、そこから得た成果を全社へ全面展開していく――湯澤氏はこの「一点突破」で活路を開き、得られた成功体験を全方位に広げることで危機を乗り越えたのです。「朝の来ない夜はない」という言葉どおり、あきらめずに活路を探し続ければ必ず光が見えてくると、実体験をもって示されました。

変われない経営者からの脱却と「存在理由」への回帰

どんなに優れた戦略も、変われない経営者には実行できません。湯澤氏は、自らが変化を恐れていては会社も変わらないと強調しました。大きな危機に直面した際、湯澤氏はまず「自分自身が変わる覚悟」を決めたといいます。同時に、「何のために経営をするのか」という原点に立ち戻り、自社の存在理由を見つめ直しました。実際、湯澤氏は先代である父親が遺した日記を通じて企業の使命に立ち返る機会を得たそうです。経営者自身が覚悟を決め、自社の存在意義を再確認することで、初めて社員と会社を正しい方向に導くことができる――このメッセージに参加者の多くが、深く同調する姿が印象的でした。

財務戦略の鍵は「償却前黒字」と地域金融機関との連携

会社再建には財務の立て直しも不可欠です。湯澤氏は「収入と支出のバランスを取り、償却前営業利益を黒字(いわゆる償却前黒字)で確保できれば、会社はなんとか持ちこたえられる」と繰り返し述べました。減価償却費を差し引く前の利益がプラスである限り、キャッシュ面での体力は残っているという意味です。

その上で重要なのが金融機関との交渉・協力です。湯澤氏は「身の丈に合った金融機関」と付き合うことの大切さを説き、特に地域金融機関は中小企業の味方になってくれる存在だと語りました。都市銀行だけに頼っていては画一的な対応しか得られない一方、地域に根差した信用金庫などは親身になって企業再生を支えてくれるケースが多いとのことです。実際に湯澤氏自身も、地元の金融機関のバックアップを得て資金繰りの道を拓いた経験を紹介しました。

人が輝く職場づくりで切り開く「中小企業の時代」

湯澤氏の講演を通じてもう一つ強調されたのは、「人が輝く」職場づくりの重要性です。経営再建の過程で同氏は、社員一人ひとりが能力を発揮できる環境整備に注力しました。社員が生き生きと働き輝くことで会社全体の活力が高まり、逆境に打ち勝つ推進力になるからです。そのための具体的な取り組みとして、湯澤氏は次のような例を紹介しました。

また、湯澤氏は講演の中で日本全体の将来動向にも触れました。人口減少と高齢化という不都合な事実を直視しつつも、「これからは中小企業の時代が来る」と前向きな展望を示しました。大企業には真似できないスピードと柔軟性で地域のニーズに応え、人を育て、地域社会を照らす存在になることで、中小企業は新たな時代を切り拓いていける――そうした力強いメッセージに、会場は熱い共感に包まれていました。

今回の経営支援セミナーは、負債40億円という想像を超える状況から立ち上がった実体験を通じて、「逆境の中で何を基準に判断し、どう資源を束ねるのか」を学ぶ貴重な機会となりました。参加者アンケートでも、「自社の存在理由をもう一度考えたい」「金融機関との付き合い方を見直したい」「一点突破・全面展開という考え方をチームに持ち帰りたい」といった前向きな感想を多数いただいております。

私たちT&A税理士法人は、これからも皆さまの数字と現場の両面に寄り添い、税務だけでなく経営全体のご支援ができるよう取り組んでまいります。「自社でも今回の学びをどう活かせるか考えたい」「金融機関との付き合い方や資金繰りを相談したい」などございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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