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第21回TKC経営支援セミナー

開催日:2024年11月11日

category : セミナーレポート

今回のセミナーでは、競馬界で長年活躍された根本氏をお招きし、競馬という特殊な世界を通じて培った「勝負に勝つための哲学」と「成功を掴む方法論」についてお話しいただきました。命がけの勝負の場での経験や、若手育成に携わった調教師としての視点から語られる言葉は、ビジネスの現場にも通じる多くの示唆を含んでいました。

競馬の世界は、運と実力、計画性、そして適切なリスク管理が交錯する場所。講演では、成功を掴むために何が必要であるのか、また困難な状況でいかにして成果を出すのかという視点が語られ、非常に示唆に富む内容となりました。

 

競馬という極限の勝負の世界

競馬は、ジョッキーと馬が一体となって戦う極限の勝負の場です。
その中で根本氏が特に強調されたのは、「事前準備の重要性」と「心の持ちよう」でした。事前準備について、レースの成功は出走する馬のコンディション管理やレース展開のシミュレーション、さらに競走馬の特性に応じた戦略立案が重要であると。この計画的な準備が結果を大きく左右し、競馬だけでなくビジネスやプロジェクト運営においても欠かせない要素です。また、競馬にはリスクが伴い、特に障害競走のような危険度の高いレースでは、恐怖を乗り越える強い精神力が必要です。
勝負の場では恐怖や不安を力に変える術を身につけるべきだと述べ、失敗を恐れず挑む姿勢の大切さを強調しました。

 

賞金967億円の規模と勝負の哲学

競馬界では、一つのレースで億単位の賞金が動くことも珍しくありません。
「賞金967億円という巨大なマーケットの中で、自分がどう戦略を立てるかが試される」と語りました。勝利を目指すためには、馬の特性を見極め、適切なレースを選択し、タイミングを見計らって投入する必要があります。この慎重な判断と行動力は、ビジネスにも通じる重要な考え方といえます。

 

若手育成とチーム作りの重要性

調教師時代の経験を踏まえ、若手ジョッキーを育てる際の考え方や手法についても語られました。
根本氏は、若手が失敗した際には、ただ励ますのではなく、具体的な改善策を示すことで自ら考え行動する力を引き出すことが重要であると。また、小規模な厩舎では個々の役割が明確で、全員が組織全体の成功に直結するという点も示唆に富んでいます。馬のコンディション管理をするスタッフ、レース戦略を立案する指導者など、各自が役割を理解し、協力し合うことが競馬界における成功の鍵であり、これをビジネスに置き換えると、明確な役割分担と信頼関係がチームの成功を左右する重要な要素であることがわかります。

 

勝ち負けから学ぶ姿勢

競馬の世界では、すべてのレースに勝つことはできません。しかし、負けたレースこそが次の勝利に繋がる貴重な学びの場だと根本氏は語ります。
特に、負けた原因を振り返り、それを次に活かす姿勢が重要であるとし、負けることを恐れず、その中から得られる学びを大切にすることの意義を強調しました。また、若手ジョッキーには低いハードルで早い段階の失敗を経験させることで、大きな壁にぶつかったときの対応力を育てることが必要であるとお話いただき、企業の人材育成にも通じる考え方を示していただきました。

競馬界の経験から生まれた根本氏の言葉には、勝負の世界の厳しさと同時に、多くの学びが詰まっていました。
馬と人間の違いを理解し、共にゴールを目指す姿勢は、ビジネスや日常生活にも応用できる貴重なヒントを提供してくれました。
「努力と挑戦が報われる瞬間は必ず来る」というメッセージが、参加者の心に深く響いたセミナーとなりました。
ご参加いただき、誠にありがとうございました。

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