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「社長の戦略が未来を変える。経営戦略はこう立てる!」セミナーレポート

開催日:2016年9月28日

カテゴリ: セミナーレポート

9月28日、第3回経営戦略セミナーが開催されました。今回も様々な業界から約10名の参加をいただき、大盛況となりました。

セミナーではまず、日本における中小企業の現状についての話から始まりました。2009年から2012年までの3年間で中小企業は35万社が廃業しており、そのうちの32万社が小規模企業という事実。セミナー開始から日本の中小企業における厳しい現状に、参加者の皆さんも深刻な面持ちで聞き入っています。

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中小の企業が長期的に安定した経営を続けていくためには何が必要か。
いよいよここから経営戦略セミナーの本題に入ります。ここでは認定支援機関がいかにして企業の運営を軌道に乗せ具体的な成果を上げていくか、銀行から信頼を得、融資しやすい企業になるためには何が必要かなど、熱のこもった話が続きます。計画をたて、進歩状況を見ながらその都度状況をチェックし運営していくということを、認定支援機関と共に行うメリットについての話です。

そんなことで本当に安定した経営を持続することができるのか?
その疑問に苦笑いする参加者の方もいらっしゃいました。これは多くの経営者が自問するところでもあり、計画を立てることをきれい事ととらえる経営者も多くいる、という話ではうなずいている参加者も。ここは経営者としては実感している部分で、ここからの一歩先をぜひ知りたいという参加者の気持ちが伝わってきます。

さらに、具体的な経営戦略の効用と構築プロセスの話では、皆さん身を大きく乗り出しメモを取る体制を整えて、一言も聞き漏らすまいという気迫が伝わってきました。場の空気が引き締まる中、講師の話が続きます。経営は過去の事例と同じ方法で物事に対処するのではなく、その都度新しい感覚で、新しい料理のレシピを組み立てるように戦略マップやアクションプランを作成していく。そんなくだりでは参加者全員が真剣にメモを取り、講師の話に聞き入っていました。メモを取るさらさらという音が続きます。講師も十分に間を取って慎重に話を進めていきました。

次はバランススコアカード経営の具体例を出しながら、実際の企業の取り組みの様子を紹介して、幹部研修のタイムテーブルなどを雑談を交えながら話し、フランクな感じで進んでいきます。参加者それぞれの業種の様子などディスカッションも交え、研修会は活気を帯びてきました。耳慣れないSWOT分析には皆さん興味津々の様子で、研修の流れや研修をする目的など改めて再認識し、研修会をいかに活用するか、研修会を行うことによりどんな効果を得られるかなど、いよいよこの研修の核心部分に入っていきます。参加者の表情もみな真剣なものでした。具体的な分析の仕方は参加者の皆さんには意外な方法だったようで、念入りにメモを取る姿が目立ち、会場の空気は真剣そのもの。さらに研修会議の方法や流れ、分析の仕方など細かい部分まで言及し、研修会議における最重要課題は何か、研修の進め方は?などの講義を聞いていくうちに、従来の方法と全く違った研修会議の意義を見つけた様子で、参加者の方々の「なるほど!」という表情が非常に印象的でした。
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次のミッションの作成では、普段使わない言葉で事業を定義するという講義内容でした。
これはある意味、企業が思っている自社事業の定義づけから離れ、事業に新しい価値を見出すことのできる作業でした。皆さん経営者の側から「わが社はこういう事業を行い、顧客にこんな価値を提供する企業である」という意識をもっていますが、では顧客側に立ったときに、果たしてその「提供している価値に需要があるのか」ということを見直すきっかけにもなったようです。参加者の皆さんもこの講義は非常に興味深かったようで、各自普段とは違った言葉で自社を定義する作業に没頭していました。会場にはペンのサラサラいう音と皆さんの真剣な表情でよい緊張感に包まれ、さっきまでの雑談を交えたフランクな空気とは、また違った雰囲気に包まれました。
 
さらにモデルケースとして当事務所の取り組みを紹介し、休憩となりました。(ちなみに休憩中は参加者の皆さん楽しく談笑し、和気あいあいの雰囲気の中、情報交換などもされていたようでした。)

休憩をはさんでPPM分析の講義に入ります。
ここからはさらに一歩進み、具体的で実践的な内容になるので、リフレッシュ後の参加者も気合が入ります。
まずPPM分析の方法として、商品や事業を ①金のなる木 ②花形製品 ③負け犬 ④問題児 と4つの区分に分けることから始めます。
説明を聞いた後、参加者それぞれが自社の事業を区分けする実践作業が始まりました。ここでは思わず苦笑いを漏らす参加者の方もちらほら・・・。やはり皆さん、実際に事業や商品を区分けして書きだしてみると、よりはっきりと現実を知る事になった様子。特に負け犬という(あえて?)ショッキングな区分もあり、文字にすることで少なからずショックを受けられたのかもしれません。

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次なるステップは戦略の作成です。
企業のビジョンと戦略を1本の木に例え、経営戦略とさまざまな事象の因果関係を検証することによって、財務、顧客、業務プロセス、人材と変革の4つの視点を決定していきます。サウスウエスト航空のバランススコアカードを例にとり、具体的な方法を説明することで、参加者の方も自社の戦略作成がイメージしやすかったのではないかと思います。

そして実際にアクションプランを作成後、中期経営計画の策定に入ります。
ここで私自身にとっても非常に興味深い話がありました。これまで中期計画というのは、「5年後の未来を予測し計画をたてるもの」という認識でいたのですが、ここでいう中期計画とは、「5年後に登りたい山を示すこと」という事だというお話です。この2つは似ているようでまったく異なるものであり、一方では未来を予測することで完結してしまっているもの、もう一方は5年後に上るべき山を示すもの、つまり5年後にスタートさせるべきものという意味合いを含むように思われました。ここでは皆さんも真剣に講師の話を聞き入っていました。実際に私と同じように、目から鱗が落ちる思いの参加者が多かったのではないでしょうか。

最後に人材育成の重要性と、当社の取り組みを紹介してセミナーは終了となりました。

今回のセミナーを通して、経営者の皆さんが、中小企業の熾烈な生き残り合戦の中、さまざまな経営を模索していること、既存のやり方を白紙に戻し、考え方を大きく柔軟にシフトチェンジできる企業は必ず長期的に生き残っていくだろうということを実感しました。今回はやはり真剣な、熱のこもったセミナーで参加者皆さんの気迫が伝わってきましたが、時折雑談や談笑される場面もあり、良い刺激と情報交換とリフレッシュになったのではないかと思います。

最後に参加者に感想を伺ったところ「今まで良しとしてきたやり方とは全く違った視点で新鮮。停滞を感じているなら視点を変えて前に進むべきと感じた。」「自分には思いもつかない内容で本当に勉強になった。また他業種の皆さんとの雑談を通し、自社の経営のヒントになるところもあった。またぜひ参加したい。」など嬉しい感想をたくさんいただきました。日本を支える企業の皆さんの活路を見出すお手伝いができたとしたら、こんなにうれしいことはないと感じたセミナーでした。